以前は脳の血管に対して、開頭をして、頭皮の血管を剥離し、その血管を中大脳動脈に植え付けると言った方法を採用していました。1985年にこの治療法の有効性を疑問視する声が大きかったのですが、最近日本の研究にて血流低下が著しい一部のケースにおいて有効であることが報告されました。しかし、この治療は再建までに少なくとも数時間は確実に要する手技です。これは急性期の治療には決定的に不利です。なぜなら脳梗塞になれば1−2時間のうちにある一定以上の血流を再還流させないと脳組織は正常を保てないからです。
一方で経皮的脳血管形成術(PTCBA)、血栓回収療法(ステント治療)は狭窄、閉塞した血管を再開通させうる手技で急性期にまず選択されるべき治療法と考えています。