みなさんにとってよりなじみがあるのは心筋梗塞に対する風船カテーテル治療かもしれません。多少の血管壁の暑さ、心筋組織への血管、脳神経への血管等に違いはありますが、治療器具、手技自体はこれと全く同じです。
1990年代より脳血管にカテーテルを誘導し、拡張する治療が発達してきました。私が高知にて兄事した森 貴久先生は先覚的にこの治療を発展させた医師の一人です。
この患者さんは左の片麻痺、構音障害にて突然発症しました。すぐに救急車にて来院し、必要な検査を施行しました。その結果、脳血管撮影にて右中大脳動脈に高度狭窄を認め、この狭窄により、神経症状が出現していると断定しました。
この狭窄部に対して、風船治療を施行しました。
狭窄は改善し、症状はその直後より、劇的に改善しました。
現在無症状で、元気に過ごされています。
次の患者さんは意識障害、左右手足の麻痺(右半身はわずか、左半身は全く動きませんでした。)で来院されました。 ご家族の承諾を得た後、すぐ脳血管撮影を施行しました。脳幹への血流が途絶えているためであることがわかりました。(脳底動脈完全閉塞)
この脳血管撮影でわかるように血管が再開通し、症状は改善し、元気に歩いて退院されました。