脳には数百億個の神経細胞があります。それぞれの神経細胞は電気活動によってお互いに情報を伝達しあい、運動や感覚、感情、記憶などの機能を現しています。脳の神経細胞が一時的に異常に興奮して引き起こすさまざまな症状を「てんかん発作」といいます。けいれん発作はてんかん発作の一つですが、嘔気や頭痛、意識消失など「けいれんしない」てんかん発作も数多くあります。
「てんかん」は、脳の何らかの異常によって「てんかん発作」が繰り返し生じる病気を指します。脳卒中や脳腫瘍、頭部外傷、脳炎、脳の先天的な形成障害、海馬硬化、遺伝子異常など、てんかんの原因はさまざまです。発作が毎日起こるてんかん患者さんもいれば、数年に1回しか起こさない患者さんもいます。当院では必要に応じてビデオモニタリングを行い、てんかんの診断と治療を行っています。
三叉神経痛は、一側顔面の激しい痛み(電撃痛)が、特に顔面に触れるなど刺激によって誘発される病気です。片側顔面痙攣は、まぶたや口角に細かい痙攣を生じる病気で、時にまぶたを開けていられない位に進行することもあります。脳腫瘍などが脳神経を圧迫して生じる場合もありますが、多くは脳血管が脳神を圧迫することで生じるとされます。手術によって、圧迫している血管を神経から離すことで、多くの患者さんは症状が劇的に改善します。内服治療や局所注射で効果が不十分な場合に、手術(微小血管減圧術)を行います。
脳卒中後や脊髄損傷などによる四肢の神経障害性疼痛のうち、種々の薬物が効かない痛み(難治性疼痛)で悩んでいる場合、手術が有効な場合があります。当院では脊髄刺激療法を行っており、疼痛の軽減効果が期待できます。