高度な頸部内頚動脈狭窄症は、一過性脳虚血発作や脳梗塞の原因となり得る疾患で、本邦でも生活スタイルの欧米化により患者数が確実に増加する傾向にあります。
本疾患に対する外科治療として、頚動脈内膜剥離術が欧米で行われた大規模臨床試験によって脳梗塞予防効果が示されました。
一方で周術期に合併症が生じやすい病変には、侵襲の少ないカテーテル治療である頚動脈ステント留置術が行われて来ました。すでに数十年に及ぶ経験が蓄積され、近年発表された臨床研究では頚動脈ステント留置術は頚動脈内膜剥離術に匹敵する治療成績を示しました。
当院では、このようなエビデンスに基づき、外科治療を要する場合は、メスで切らないカテーテル治療を第一選択として治療を行っています。その後も定期的経過観察や内科的治療も最大限行っています。