ステントには本来血管内に留置して再狭窄を予防する目的と、コイルが動脈瘤から母血管にはみ出して血管を閉塞しないようにする目的で使用されていました。
しかし、2010年頃より脳血管の比較的太い血管に血栓が詰まっている場合、あるステントを用いて血栓を取り除く方法が有効性を示す論文が出るようになりました。(世界の神経放射線科医が競ってbetterな手術法を考え出した結果と言えます。)
私が2011年ドイツ、エッセンにあるAlfred Krupp Krankenhaus病院、シャポー教授(現在世界No.1の血管内治療医)のところに留学したときその手術を見て、その治療効果に感動しました。日本にてこのステントが承認されるまで、2年かかりましたが、現在は急性期脳梗塞の血管内治療ではいままで苦労していた血栓溶解療法、血管形成術に取って替わる治療になりました。本当に血管内治療の進歩の速さには驚かされます。(ISC2015; Nashville hope 世界脳卒中学会にて発表された後、現在、いろいろな世界的な大規模試験でこのステントによる血栓回収術が有効との報告が出現してきています。)
でも日本の企業も開発に非常に貢献しています。次はこのお話をします。