ステントとは元々人物の名前で、彼が歯の治療に副木を使用したことからその名をステントと呼ぶようになったのが最初と言われています。現在は心血管を始め、脳血管、末梢血管と幅広く使用されています。
現在使用されているステントとは、心筋梗塞等の冠動脈疾患の治療に用いられるメッシュ状の筒(ほとんどはステンレス製)であり、バルーン・カテーテルにより冠動脈の病変部まで運ばれ、拡張され、留置されることで血管壁が再び狭くなること(再狭窄)を妨げ、血流を確保する医療用具を言います。
その後柔軟なステントが登場し、1998年 元 高知医大 脳神経外科 森 貴久先生が世界で初めて脳血管ステント留置手術に成功しました。この症例は米国脳神経外科学会雑誌に掲載されました。この報告をきっかけに日本を始め全世界で使用されるようになりました。
現在の問題点はまだ脳血管のどの部分でも適応できないということ、保険適応でないことが挙げられます。誤解されやすいのですが、保険適応がないからと言って悪い治療法という訳ではありません。いい治療が世間の流れ(特に欧米の流れ)に押されて保険適応となることは珍しいことではありません。